本職は下水道課の調査委員?

矢野美枝

2008年03月29日 22:21

家庭教師の先生は2歳半になると、
外での授業が多くなりました。

近くに大手スーパーがあったので、
先生は、毎日のように、
社会科見学を望みます。

先生は、道の脇にある、網の側溝(下水の交差点のような所で、網で下が見えるところ)
の研究が大好きです

車が来る事の想定なしで、
右に左に・・・
側溝を覗き込み、
観察が始まります。

時には、30秒で「はいOK!」
時には、5分もかけて「わーまいったな!」
などとつぶやきながら・・・・。

私も、覗いてみますが、
「はいOK」や「わーまいったな」
の意味が・・・

少しも・・・全然・・・

全くもってわからない・・・。

先生の本職は、
下水道課の調査委員だったのか???

熱心な調査中に、尋ねてみた。
「違いが、わからないんだけど・・・
何がOKで、何が困るの?」


先生は、生徒の私をキリットにらみ・・・
「え?わからない?
まずは、自分で考えてごらん」


・・・・どこかで聞いた台詞・・・

それは、私が子供に言っている台詞。

私は、困った・・・。
そして、正直に、
「考えてみたけど、わかりません。」と。

すると、先生は優しく

「考えてみたのは、おりこうだ!よく頑張った」

・・・・これは、子供に言っていない。
先生オリジナルだ!
やはり、彼は、私の先生だった!

下水道の判定基準は、次の通りだそうだ。

1.音と水の流れ具合が合っているときは『OK』
2.音は早そうでも、流れていないときは『ダメ』
3.音はあまりしないが、流れが速いときは『凄い』
4.音はするけど、流れが暗くて見えないときは『まいったな』


視覚と聴覚のバランスで、状況を判断していたのだ!

すばらしい!! 天才かもしれない!!
と、心から感動した。


先生は、職人肌だった。

教訓:日頃の変わった行いは、馬鹿にしてはいけない。
そこにこそ、個性と才能が潜んでいる。
かも・・・。

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